RYU'S MESSAGE / TOPICS

2020/11/17 五嶋龍からのメッセージ

日本の皆様、RFの皆様

 

ヨハネス・ブラームス(1833 – 1897)は3大作曲家と知れ渡る大御所。例外がないくらいに彼の作品はベートーヴェンからの流れが、明確なドイツの形式美にズーンと座しながら、純クラシック・ロマン派を象徴して残る。彼はモーツァルトのように、周りの要求にさえフレキシブルに対応した曲を難なく綴ったのではないと思われるのには、原譜には、試行錯誤と彼の究極を求め続けた跡がある。僕だけでなく彼の音楽にハマる理由の一つとして、喜びに対しては悲しみ、より、喜びに対する諦め、諦めに対しては願望、それぞれに理由があってその経過に宿命が潜む。ドビュッシーはボブカットスタイル(他の肖像画もあるが)でちょうどだが、ブラームスはそうはいかない。ちょっとやそっとでは大衆ににっこり、なんて。

 

ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調は、スイス滞在の折、友人で音楽学者カール・フェルディナント・ポールの訃報にあい、傷心の中で書き上げられ、指揮者のハンス・フォン・ビューローに献呈された。
 

第1楽章 Allegro
第2楽章 Adagio
第3楽章 Un poco presto e con sentiment
第4楽章 Presto agitato

 
ブラームスのアップビートとシンコペーションが彼の息遣いに沿って、ぎこちなく続く。

 

 

 

2020年11月17日    五嶋 龍